百日咳症状 百日咳の検査と診断 感染源はどこから?
少しづつ寒さが厳しくなり街中ではマスクをしている人が増えてきている。激しいせきが長く続く「百日ぜき」は、幼いこどもの病気という印象が強いけれど、近年は大人の患者が増えています。重症化しやすい赤ちゃんへの感染源になるために、これに詳しい専門家たちは注意をよびかけています。
百日ぜきの症状は?
百日咳は百日咳菌による感染症で「風邪」のよう症状で始まり、だんだんせきが強くなる。けいれんするような激しいせきや、息を吸うときヒューという音が鳴るなどの特徴的な症状があります。その菌は、せきやくしゃみのしぶきなどで広がり、治療するには抗菌薬を使います。
ワクチンを打っていない赤ちゃんがかかると重症になりやすく、肺炎や脳炎を発症する場合もある、特に生後6か月未満の赤ちゃんがいる家庭は注意が必要だ。
百日ぜきの感染源は?
大人の百日咳はこどものように重症になることは少ないが、国立感染症研究所の神谷元主任研究官は「こどもを守るためには、大人の百日咳を予防することが必要」と強く言っている。こどもの百日咳は、大人が一番の感染源になっているとみられるからだ。
感染研によると、家庭内に感染者がいると、百日咳に対する免疫のない人が2次感染する確率は80パーセントを超える。アメリカでは赤ちゃんへの百日咳の感染源の75パーセントが父母や祖父母などの大人だという報告がある。重症にならないだけに知らぬ間にうつしてしまう恐れもある。
百日咳から子供の感染を防ぐために予防を!
百日咳の予防には「ワクチン」が有効で、国内でもワクチンが定期摂取になっており、生後3か月から計4回の摂取を原則として無料で受けられます。感染研では、0歳児後半での抗体保有率は90パーセント以上になる。
そこで問題になるのはその効果が長続きしないことで、4~12年で急激に低下することがわかったきた。そこで11歳、12歳が対象の2種混合ワクチンに百日咳を加え、予防効果を高めることが厚労省の審議会で検討されている。
大人の百日咳が増えている
大人の百日咳が増えているのは海外でも共通で、感染研の神谷さんによると、日本とほぼ同時期に報告例が増え始めたアメリカでは、追加接種用の大人向けのワクチンが承認されて、赤ちゃんと接する機会が多い人の摂取が推奨されている。
「百日咳は死亡例もある侮れない病気です。日本でも重症化しやすいこどもと接する機会の多い家族や医療関係者は追加接種を検討する必要があるのではないか」と神谷さんは話している。
マイコプラズマ肺炎
百日咳と同様の呼吸器感染症を引き起こす細菌性疾患の一つとして、マイコプラズマ肺炎があげられる。いずれの感染症も、激しいせきが出るところが共通していて、家庭では判別しづらい。せきなどのしぶきを吸ったり、長く一緒にいたりすると感染しやすくなることも似通っており、家庭や学校、保育園などは注意が必要だ。
マイコプラズマ肺炎は「マイコプラズマ・ニューモニエ」という菌により引き起こされ、子どもや若者の感染が多い。激しいせきが特徴で、肺炎では発熱が見られる。せきは3~4週間ほど続くこともある。ただ、ながくつづくせき症状だけでは原因は特定しにくい。これからの季節はインフルエンザやノロウイルスの発症が増えるため、さらに家庭で判断するのが難しくなってしまう。
激しいせきは早めに受診を!
国立感染症研究所感染疫学センターの大石和徳センター長は「百日咳」は息ができないほど発作性の強いせきが特徴です。インフルエンザ場合はせき以上に高熱、頭痛、全身のだるさが主な症状です。ノロウイルスであれば、突然の吐き気や数回もの下痢を伴う。せきの特徴やそれ以外の症状、流行時期をよく知ったうえで、医療機関を早めに受診しとほしい」と話している。
・インフルエンザ ➡ せき、高熱、頭痛や全身のだるさ
・ノロウイルス ➡ 突然の吐き気、繰り返す下痢