誰にでもできる免疫力アップ!免疫力を高める方法!
寒い季節になってくると、「免疫力が下がって、風邪をひいた、」という会話をよく耳にします。同じ環境にいても、めったに風邪をひかない人と、しょっちゅう風邪をひいている人がいたりします。この違いを生むのが、免疫力の差なんです。つまり抵抗力があるかないかです。
免疫力の高さや低さを見分けることはできませんが、風邪をひきやすい人は免疫力が落ちているといえます。「免疫力が高い人」「免疫力の低い人」の区別はありません。普段元気に生活している人は免疫力が高いのですから言い換えれば「免疫力を下げない」方法を日々の生活で実践しているといえます。そこで今回は免疫力を上げる習慣や、免疫力を上げ維持する食べ物や食べ方などを紹介していきます。
Contents
免疫とは?
「免疫」って知っているようで知らない人が多いと思うのですがどうでしょうか?「免疫」とは「病気から逃れる」ために働く、【自分たちの身体を守る力】です。空気の中には見えないウイルス、ホコリ、細菌、花粉がウヨウヨしていますが、それを吸い込んでも病気にならないのは免疫力が備わっているからです。
■免疫の主役は白血球
免疫力は「免疫細胞」の働きによってできています。大きくとらえてみると血液中に含まれる「白血球」のことです。血管の中の至るところにあり、パトロールしながら病原体が入り込まないように見張っている「見張り役」です。
■体内に細菌やウイルスなどが入ってきた時に、それと自分自身がもともと持っている細胞と区別し、戦うことで身体を守ってくれるのが「免疫」です
免疫力が下がると?
免疫力が低下すると、病原体を攻撃するチカラが弱まるので、当然病気にかかりやすくなり、また、治りにくくなります。1年の中で冬は要注意、空気が乾燥するので、のどや鼻の粘膜も乾燥するのでウイルスが増えてきます。体は普段以上にウイルスや細菌と戦わなければならなくなります。また加齢によって免疫力は確実に低下してきます。高齢になればなるほど病気になるリスクは高まり、気を付けなければいけないです。
免疫力は自律神経に左右される!
■2つの自律神経のバランスがカギだ!
自律神経は内臓や血管などの全体にあって、呼吸、消化、循環、分泌などをコントロールしています。自律神経は、興奮、緊張などの場面で働きこれを「交感神経」で休息や睡眠などリラックスしているときに働く「副交感神経」の2つから成り立っています。
私たちは無意識に、これをバランスよくとりながら生活していますがこのバランスが乱れると心や体が変調し始めて免疫力が低下してきます。これがよくある「自律神経失調症」です。
・主な症状
●まぶたのけいれん ●耳鳴り ●めまい ●多汗
●頭痛 ●手足の冷え ●不眠 ●関節の痛み
●ふらつき ●肩こり ●食欲過多 などがあります。
腸内環境が免疫力を決める
■善玉菌を増やすことが免疫力アップのカギだ!
「腸管」(小腸と大腸)が体内での免疫細胞の70%を占めていて特に小腸には大量のリンパ球(体内に入ってきた有害な存在を排除するために働いている細胞)があり、NK細胞も活性化させます。※NK細胞(異物細胞や自己変異細胞を攻撃する。ナチュラル
大腸には小腸ほど免疫細胞はありませんが、大量の腸内細菌が住んでいます。腸内細菌は体にとって良い働きをする善玉菌、悪玉菌とどちらでもない日和見菌の3種類がいます。悪玉菌が善玉菌より増えると腸内に
有毒物質が増え、さまざまなの引き金になります。つまり、腸の中の善玉菌を増やし悪玉菌より多い状態にすれば病気に強い体になるということです。
■善玉菌は有害物質を中和するだけでなく、ビタミンの合成、便秘解消、コレステロールの排出などいろいろな働きをします。
善玉菌を増やすには
●善玉菌のエサとなる水溶性食物繊維を食べる
・アボガド ・こんにゃく ・きのこ類 ・ごぼう ・納豆 ・海藻類 ・オクラ などねばねばしたもの
●乳酸菌や納豆菌、ビフィズス菌を食べる
・ヨーグルト ・漬物
呼吸や体温調節は免疫力とつながっている!
人が生きていくうえで、欠かせないのが呼吸や体温調節に必要なエネルギー代謝(基礎代謝)です。人の消費エネルギーの70%は基礎代謝が占めていて、基礎代謝が低い人は低体温で食べる量が多くないのに、太りやすいししっかり寝ても疲れがとれない、冷え性、風邪をひきやすいといったことが多いです。
■基礎代謝が悪いと!
・胃腸の動きが鈍くなり、老廃物がスムーズに排泄されずに吹き出物やくまなどの肌トラブルが起きやすい
・血の流れが悪くなるので、水や老廃物がたまってむくみ体質になってしまう。セルライト(皮下脂肪)ができやすくなる
・セルライトができるとリンパや血管が詰まりやすくなり、体が冷える
■基礎代謝を上げるには!
・ジョギング、ウオーキング、水泳、ストレッチ、ヨガなどの有酸素運動をする
・有酸素運動と短距離走などの無酸素運動をうまく組み合わせると、さらに基礎代謝が高まる
免疫力を下げる原因5つ
いつも頑張っているのに免疫力を台無しにしてしまう原因は?免疫力の働く仕組みはものすごくデリケートとです。ダメージを受けると免疫細胞はとたんに元気がなくなってしまいます、その原因は?
■加齢 年をとると免疫力は下がるがNK細胞を活性化させることによって上がります。NK細胞はがんなどの細胞を攻撃する”主役”ですが高齢になるにつれて病気がちになるのはこのためで、若いうちはNK細胞の活性が高いので少々の無理がききますが、40代からは何もしなければ免疫力は下がる一方です。
■偏った食生活 ・タンパク質食物繊維の不足は危険!
・誤った「粗食信仰」は免疫力低下のもと
免疫細胞はタンパク質を中心としたさまざまな物質からできています。とかく悪者扱いされるコレステロールも細胞を作るうえでは欠かせません。その栄養素が不足すると免疫細胞が十分に作られなくなり、免疫力が下がってしまいます。よく「粗食が一番」とか「肉より野菜が大事」といわれますが、野菜ばかり食べたり、糖質や油を抜くような偏った食生活は免疫力を低下させます。
特にタンパク質不足は危険です。
また、食物繊維の少ない食事をしていると腸内環境が悪くなり免疫力が低下します。
■ストレス ・心の持ち方で免疫力は変わる
・笑顔が免疫力を上げる
NK細胞は感情や心の動きに大きな影響を受け、悲しい、苦しいといったネガティブな感情を引き起こすストレスに非常に弱いのです。NK細胞についてさまざまな実験が行われていますが、子育て中のラットから子どもを引き離すと母親ラットのNK細胞の活性が大きき落ちることが知られています。また、その母親ラットと一緒にいる元気なラットのNK細胞も下がってしまうのです。
その一方で、NK細胞の活性は笑うと簡単に上がります。ストレスからうまく逃れ、楽しいことをしていれば免疫力を確実に上げられるのです。
■不規則な生活 ・夜型生活は万病のもと
夜型の不規則な生活をしていると免疫力は低下します。免疫細胞が自律神経に影響を受けているためです。
ある調査のよると、長距離トラックの運転手、時差のある路線パイロットは若い人でも免疫力が低いという結果が出ています。こうした仕事の人は昼夜逆転の生活によって自律神経が乱れているからです。本当は人間の体は昼間に活動し夜は休むようにできていますから、免疫システムもそのリズムで働いていてこのリズムが乱れると免疫システムそのものも変調をきたします。
■薬の飲みすぎ ・治癒力の主役は免疫力
・薬は脇役にすぎない ・薬に頼りすぎると免疫力が弱体化する
免疫力は、病原菌やウイルスといった「敵」と戦うために、もともと体に備わっている働きです。その敵が強くて免疫力だけでは太刀打ちできなくなることもあります。そんなとき【援護射撃】をしてくれるのが薬です。命を守るために必要なのが薬ですが、敵がそれほど強くないにもかかわらず薬に頼って「訓練」を怠ると免疫力は弱くなってしまいます。少しでも具合が悪いと薬を飲むという習慣は免疫力を低下することになる一つの原因になってしまいます。
とくに抗生物質は腸内の善玉菌まで死んでしまうので注意が必要です。
1日1本の乳酸菌飲料で免疫力を下げない!
「免疫力は上げることよりも”下げない”工夫が大切!と順天堂大学の奥村教授がプロバイオティクス(乳酸菌飲料)を取ることを実践しています。下げないために手っ取り早いのが生きたまま腸に届いて腸内環境を整えるプロバイオティクスで、乳酸菌を摂って腸がスムーズに
動くようになると、腸からセトロニンというホルモンが出ます。これは人を楽しい気分にさせるホルモンでレスリングのメダリストが毎日欠かさず摂っていますし、また、毎日飲んでいるクラスに学級閉鎖がないというデータも出ています。
免疫力を上げる生活習慣
♦いつもの生活を、ほんの少し見直すだけで免疫力は格段にアップ!
■笑えば笑うほど免疫力アップ!
免疫力を上げる最も手軽で効果的な方法は笑うことです。3時間のお笑いライブを見せ、前と後とで血液の検査をしたところ、18人中14人のNK細胞の活性が上がっていたという実験報告があります。笑うことによってセトロニンなどの脳内情報伝達物質が分泌され、ストレスに強い状態ができて免疫力強化につながったと考えられます。
「健康だから笑うのではなく、笑うから健康になるのだと」心得て笑顔を絶やさない習慣を行うことです。
■質の高い睡眠
免疫力を上げるには、「何時間寝るか」よりも「寝るべき時間帯にしっかり寝てるか」が重要です。
■ストレスをため込まないのが免疫力アップのカギ!
♦とにかく前向きな気持ちを持つ
過度なストレスを受けるとNK細胞の働きが弱まり、免疫力が低下します。これはストレスが自律神経に働きかけ、その自律神経が免疫システムに影響を与えるから!ストレスの多い現代の社会ではストレスをため込まないように感情や考え方をコントロールする方法を知っておくことがすごく重要です。
真面目で完璧主義に人は「ほどほど」を心掛けながら、ときには自分をほめて頑張りすぎないように!大好きなもの、こうあったらいいなという状況をイメージしているとNK細胞が活性化します。
今話題のマインドフルネスはおススメです。逆にストレスがまったくない状況でも免疫力は下がります。とくに高齢の方は外に出て人とのかかわりを持つようにしましょう。
■免疫力は体温でわかる
♦低体温を防いで筋肉量を増やし体温を上げるには!
・筋トレする ・湯船につかる ・冷たいものを飲まない
・よく噛んで食べる ・バランスの良い食事で肝機能を上げる ・長時間の冷房を避ける
免疫力は体の中心部の「体内温度」が37℃以上のとき最も活発し、逆に36℃未満でとても弱くなります。これを皮膚体温で考えると、免疫力強化には平熱が36.5度以上であることが必要で、逆に35.5度以下では免疫機能がうまく働かなくて病気になりやすくなります。エアコン、偏った食事など低体温をまねく生活習慣を見直し、体温が下がらないようにすることが大切です。
最も効果的な方法は筋肉を増やすことです。体が生み出す熱の30~40%は筋肉で作られていて、筋肉を増やせば平熱を上げることが可能になります。
■薬に頼りすぎると免疫力は弱まる
♦医師に相談して薬の量と種類を見直す
身体はもともと自分で病気を治そうというチカラが備わっています(自然治癒力)。この働きは免疫そのものです。免疫力を上げるということは、自力で病気に打ち勝つ力を身につけることです。しかしこの力は鍛えなければ強くなりません。薬に頼って治癒力の鍛錬を怠っていると免疫力はどんどん下がってしまいます。
薬には病気の症状を直す反面、副作用もあります。病気になったら薬を飲むのが当たり前という誤った認識です。もちろん、自己判断で薬の服用を中止するのは避けなければなりませんが、何種類もの薬を長期間飲んでいる場合は医師や薬剤師に相談して、できるだけ薬の量を抑える方向にもっていくことが望ましいといえます。
■噛めば噛むほど免疫力アップ
♦一口あたり30回以上噛む
■1日15分の日光浴が免疫システムを整える
♦起きたらすぐに太陽の光を浴びる
自律神経がきちんと働いていれば、免疫力は自然と強くなります。しかし夜型の生活の人もいますが、そんな人は1日15分の日光浴で、効果的なのは朝で起きてスグにカーテンを開けて太陽の光を浴びるといいです。視神経から光の刺激が脳に伝わり体全体に「覚醒」のスイッチが入ります。それと脳内ホルモンの一種であるセトロニンが放出されて、うつ病や不眠症の予防にも効果を発揮します。
昼夜逆転の生活をしている人は、午前中に起きて日光浴をする習慣にすると少しづつ体内のリズムが正常に戻ります。
実践してみよう!
■1日数回の腹式呼吸で免疫力向上
※1回の呼吸はゆっくりとていねいに!
興奮したり、慌てたり、心と体が緊張していると、人は肩で息をするような浅い呼吸になります。逆に安心しているとき、心地よい時などは、緊張がほぐれて深い呼吸になります。息を吸ったときにおなかが膨らみ、吐いたときにおなかがへこむ状態になります。これが「腹式呼吸」です。
「呼吸」は生命にとって超重要な機能のひとつで、呼吸を意識することで免疫力の向上は期待できます。普段呼吸を意識していない人はまず、【深呼吸】を実践してください。欲を言えば【腹式呼吸】を行えばもっといいです。
♦腹式呼吸をすることによって副交感神経が優位になる!
腹式呼吸をすると、交感神経(緊張や不安によって働く自律神経)によって働く自律神経よりも副交感神経(リラックス、安心感によって働く自律神経)の働きが優位になります。これによって酸素が体内に送り込まれ、白血球やリンパ球などの免疫細胞が活発になります。
■リンパマッサージ
♦リンパに沿ってマッサージ
免疫細胞は多くリンパ液のなかにあります。体の外から侵入してくる外敵に備えています。しかしこのリンパ液の流れが悪くなると、免疫細胞も同じ場所にとどまることになり必要な栄養素や酸素を受け取れなくなります。その状態では外敵が侵入してきたときに戦えず、その結果病気にかかかりやすくなってしまいます。
鎖骨、首、胸の上部、わきの下、おなか、脚の付け根、ひざの後ろ、足首などにはリンパ液が交わる「リンパ節」があります。
ここに向かって手でさするようにしながら一定方向にマッサージすることでリンパの流れが物凄くよくなり、また免疫細胞がスムーズに流れてパワフルに活動します。
■爪もみ
爪の生え際にある「井穴(せいけつ)」というツボには、神経繊維が集中しているので、ここを刺激すると瞬時に自律神経に伝わりバランスを整えてくれます。爪の生え際を反対側の手の親指と人差し指で挟むようにして、10~20秒ずつ強く押します。1日2~3回を目安に行うと、免疫力アップに効果があります。
Ρポイントは、指によって症状や効き目が違うこと!
※改善したい症状がある場合は、その指をできるだけ長く押してください。
※時交感神経を優位にするために「腹式呼吸」ともに行いながら「爪もみ」をすればより効果的になります。
免疫力を上げる食材&食べ方
乳酸菌が豊富で腸管免疫のチカラを高めてくれる発酵食品の代表!免疫力アップはもちろん、美肌を作るビタミンAやB2,骨や歯に欠かせないカルシウム、良質なたんぱく質などを含む「スーパーフード」です。
■発酵食品 ヨーグルト
●ヨーグルトは食後に食べる
P 乳酸菌は胃酸に弱いので食後に食べて生きたまま腸へ!
免疫力アップには腸内の乳酸菌を生きたまま腸に届けるのは大変!なぜなら乳酸菌は胃酸に弱いのです。そこで大切なのがタイミング!胃酸の影響を受けにくいのは食後30分以内といわれているので、空腹時を避け、食事のあとすぐに食べるのがベストタイミング!朝は食欲がないからヨーグルトだけの食事のしかたでは、乳酸菌の効果をあまり期待できないため昼食や夕食のあとに食べるのがおススメです。
ただし、死んでしまった乳酸菌も無駄ではありません。ほかの善玉菌のエサとなって腸内環境を整えるのに役立っているほか、コレステロール排出する働きもあります。
♦免疫力アップの摂り方
・1日200~300g食べる
食べ物として摂った乳腸酸菌は腸内に定着しないので、毎日摂ることが必要です。腸内乳酸菌の量を保つには毎日200~300g食べましょう
・目的別に機能性ヨーグルトを選ぶ
「免疫力強化」「花粉症予防」など特定の機能を強化した商品が市販されています。表示されているので目的に合わせて選んで食べましょう。体との「相性」を見極めるには最低2週間は同じものを食べるのがおススメ。
・ハチミツやバナナと一緒に食べる
大腸でビフィズス菌のエサとなるオリゴ糖と一緒に摂るのが効果的。オリゴ糖を多く含むハチミツ、バナナならヨーグルトと相性もピッタリです。
■キムチ 漬物
●キムチは汁も食べる ぬか漬けは水洗いしない
P キムチは乳酸発酵したものを選ぶ。ぬか漬けのぬかは拭ってとる
乳酸菌にはヨーグルトやチーズなどを作る動物性乳酸菌のほかに植物由来の乳酸菌があります。この植物性乳酸菌はぬか漬け、キムチといった漬物に多く含まれ、腸内の善玉菌を増やして免疫力アップに威力を発揮してくれます。
特にキムチは洗い流さないため乳酸菌をタップリと摂れる優秀な食材!浅漬けタイプの商品は乳酸菌の効果が低めなので、しっかりと乳酸発酵させたものを選ぶことがコツです。
また日本古来のぬか漬けにも乳酸菌が豊富です。乳酸菌は野菜から出た成分を食べて繁殖するので、一番乳酸菌が多いのが野菜の表面。したがってぬか漬けは水洗いせず、拭うように取ってから食べると効果的です。
♦免疫力アップの撮り方
・キムチは汁も食べる
キムチは乳酸菌だけでなく食物繊維が豊富。トウガラシ、ニンニク、ショウガなども含まれていて、まさに免疫力アップに欠かせない食品です。これらの有効成分は汁にも含まれているので、汁ごと摂るようにしましょう。
・「酸っぱい漬物」を選ぶ
乳酸菌で発酵させて作った漬物には、独特の酸味が生まれます。野沢菜漬けや高菜漬けなども、乳酸発酵させると全体に黄色味がかった色合いになり味に酸味が加わります。健康効果を期待するなら、浅漬けや調味液で漬けた商品ではなく、こうした「酸っぱいもの」を選びましょう。
野菜
■きのこ類はとにかくタップリ食べてOK
●低カロリーなのでたくさん食べても安心!がん予防の期待も大
きのこ類は食物繊維の宝庫。特に不溶性食物繊維が多く、便のかさを増して便通を改善する高い効果があります。便秘は便が一定以上ないと解消されにくいので、低カロリーでたくさん食べても太ることがない、きのこ類は強い味方です。タップリ食べて腸の大掃除をしましょう。腸がキレイになると善玉菌が増えやすくなり、免疫力がアップします。さらに食物繊維のなかにはβグルカンと呼ばれる種類のものがあり、これがNK細胞を活性化してがんの発生を予防します。
実際、シイタケのβグルカンから作られた抗ガン薬が臨床現場で使用されており、さらなる研究に期待がかかっています。またマイタケに含まれるD-フラクションという成分にも抗ガン作用があると言われています。
・まいたけ まいたけ特有の成分ががんを抑制!血糖値を下げる効果もあります
・しいたけ がん予防の効果が期待される特別なβグルカンやコレステロールを下げる
・きくらげ キノコ類の中でも不溶性食物繊維が多く、便のかさを増して便秘を解消
・なめこ ぬめりはルチンという水溶性食。善玉菌のエサとなり腸内環境をよくする
・しめじ インフルエンザの症状を軽減したり、免疫力アップに期待される食材
■ブロッコリー スプラウト
●ブロッコリーはスプラウトが強力
P 老化防止のチカラが絶大!免疫力アップの救世主
活性酸素は免疫力低下の重大な原因の一つで、ファイトケミカル(植物の栄養素)はそれを退治してがんを予防したり、老化を予防してくれます。そのファイトケミカルのなかでも特に抗酸化の強いスルフォラファン(ファイトケミカルの一種)を含むのがブロッコリーです。スルフォラファンは抗酸化酵素の生成を助け、その酵素が活性酸素を除去し、発がん物質などを無毒化します。しかもその作用の持続期間は3日で、ビタミンCやEの作用が数時間であることを比べても、パワーのすごさがわかるでしょう。
スルフォラファンの効果を期待するならブロッコリーの数倍ものスルフォラファンを含むスプラウトがおススメ!ただし、
スルフォラファンは咀嚼等によって細胞が壊れないと生成されないので、スプラウトもブロッコリーもよく噛んで食べることがポイントです。
♦免疫力アップの摂り方
・ジュースやスムージーにする
スルフォラファンを効果的に摂るには、ジューサーなどで細かく砕くのがおススメ!ジュースやスムージーにして摂れば吸収率もアップします。
・茎も捨てずに食べる
ブロッコリーの茎には免疫力アップにつながるビタミンCが豊富です、薄めに切るなどして捨てずに食べましょう。
■キャベツ
●キャベツは酢漬けにすると腸に効く
※ビタミンCは芯の部分に多い胃腸の粘膜保護に有効!
キャベツにはNK細胞を活性化するビタミンCが多く含まれていますが、含有量は部位によって異なります。最も多いのは外側の葉の部分、その次に芯とその周囲です。外側の葉はぜひ摂りたいところですが、農薬などが不安ということもあるかもしれません。そこでおススメするのが芯の部分です。
キャベツには、胃や十二指腸の粘膜を修復するビタミンU(別名キャベジン)、ファイトケミカルの一種で発がんを抑制するイソチオシアネート、有毒物質を解毒するインドールなど様々な健康成分が含まれていますが、これらもビタミンC同様、芯の部分に含まれています、芯は捨てず細かく刻んだり薄く切るなどして食べましょう。
♦免疫力アップの摂り方
・ジュースにする
生では量が食べられないという場合にはジュースにしましょう。特に胃腸にトラブルのある場合はキャベツのしぼり汁少量でも毎日飲むと効果的です。
・酢漬け(ザワークラフト)にする
酢漬けといっても酢は使いません。キャベツと塩だけで乳酸発酵させたドイツの伝統食です。このザワークラフトには植物性乳酸菌が非常に多く、腸の善玉菌を増やして免疫力を強化してくれます、さらに最近ではがんの抑制効果が高いという報告もあります。
★作り方
1、千切りしたキャベツをボウルに入れる 2、キャベツの2%の重量の塩をふって手でもみ、沸騰消毒したビンに詰める、ローリエを入れる
3、ふたはせず、ラップをして重しをして常温に置く 4、水がタップリ出たらふたをして冷蔵庫へ。1週間程度で食べられます。熱い季節に作るのは避けましょう
■トマト
●トマトは完熟したものがベスト
・鮮やかな赤い色はリコピンというファイトケミカルの色。強力な抗酸化作用を持ち、免疫力を強化します。ヘルパーT細胞に働きかけて免疫の暴走を抑え、アレルギーを穏やかにする効果もあります。
P 抗酸化力がピカイチのリコピン、アンチエイジングにも力を発揮する!
体内の過剰な活性酸素を放っておくと免疫細胞が傷つき、免疫力低下につながります。この活性酸素を取り除く力が抗酸化力。
リコピンの抗酸化力はβカロチンの2倍。
動脈硬化や糖尿病の予防・改善、発がん防止などの効果も報告されています。リコピンはトマトが赤くなればなるほど増えていくので、食べるなら真っ赤な完熟トマトを選びましょう。さらにトマトにはNK細胞を活性化するビタミンCや、粘膜を修復するビタミンAに変化するβカロチンもタップリ。ビタミンCやβカロチン自身もファイトケミカルの仲間ですから抗酸化作用も折り紙つきです。リコピンとの相乗効果でアンチエイジングにも威力を発揮します。
♦免疫力アップの摂り方
・油とともに食べる
リコピンは油と一緒に摂ると吸収率が上がるので、サラダならオイルドレッシングをかけて食べる。熱にも強いので煮込んでトマトソースにしてもOK。
・ケチャップ、缶詰めなどを使う
ケチャップ、ピューレ、トマトジュース、缶詰、ドライトマトなどの加工品にもリコピンは含まれています。手軽に利用できるのでおススメです。
・乳製品と一緒に摂る
乳製品に含まれる脂肪分がリコピンの吸収を高めます。朝食にトマトジュースやトマトサラダを摂るなら牛乳と一緒に!チーズ入りのトマトサラダ、トマトクリームシチューなどもおススメ!
野菜・肉
■ニンジン
●ニンジンは根も葉も食べる
・ニンジンは皮膚や粘膜のバリア機能を高めるビタミンA、体内でビタミンAに変化するβカロチンが豊富。ダブルパワーで皮膚を強化し、細菌などの侵入をブロックします。ビタミンCも多く、免疫力アップに欠かせません。
P 葉には根以上のビタミンCがある美肌作りを強力にサポート!
肌や粘膜は細菌やウイルスなどの侵入を防ぐ最前線!ビタミンAが不足すると肌や粘膜が乾燥し、大切なバリア機能が低下してしまいます。ニンジンにはこのビタミンAがたっぷりと含まれているうえ、抗酸化作用をもつβカロチンとビタミンCも豊富。これらの健康成分が免疫力を上げるとともに、若々しい美肌作りに効果を発揮します。
実は、この成分、根の部分だけでなく、葉にもたくさん含まれています。特にビタミンCの量は根の部分の約4倍。骨粗しょう症の治療薬としてビタミンKも多いので、女性の食材といえそうです。最近では葉も食べる品種が出回っていてネットなどでも販売されています。
♦免疫力アップの摂り方
・油とともに食べる
ビタミンA、βカロチンはともに油で調理すると吸収が良くなります。煮物にするときは油で炒めてから煮込むのがおススメ!ごぼうと一緒に炒めるきんぴらは食物繊維も豊富ですから、免疫力アップには理想的な一品といえます。生で食べるならオイルの入ったレッシングをかけて食べましょう。
・高温・短時間で調理する
ビタミンCは熱に弱く、特に葉は短時間でサッと調理する天ぷらなどがおススメ!
・皮はむかない
皮の近くにはβカロチンなどのファイトケミカルが多く含まれています。食物繊維も豊富なので、ぜひ皮つきのまま食べましょう。皮が薄くてまるごと食べやすいミニキャロットは、積極的に取り入れたい食材です。
■ニンニク
●ニンニクは切る・すりおろす・つぶす
・ニンニクの元気パワーの源は何種類ものイオウ化合物。これが体内でアリシン(ニンニク由来の抗菌・抗カビ作用を持つ化合物)などに変化し、がん予防や血行促進などの効果をはっきします。またアレルギーを緩和するビタミンB6も豊富です。
P 細胞を壊さないと有効成分は生まれない!
ニンニクの臭いのもとであるイオウ化合物は、優れた抗酸化作用を持つファイトケミカルの仲間です。そのひとつのアイリンは酵素の働きによってアリシンなどに変化してビタミンB1やB6に働きかけ、免疫機能を維持します。さらにスコルニジン(基礎代謝を上げる硫黄化合物の一種)という成分を生み出して代謝を高め、体をぽかぽかと温めてくれます。
またジスルフィド類というイオウ化合物には抗がん作用が認められています。ただし、これらの成分はニンニクの細胞を壊さないと出てきません。そのため調理の段階でニンニクを細かく切ったり、すりおろしたり、つぶしたりしましょう。さらに、よく噛んで食べれば万全です。壊れた細胞からイオウ化合物が出て酵素などと反応し、様々な成分に変化して病気に負けない体作りに役立っています。
♦免疫力アップの摂り方
・疲労回復には加熱処理して食べる
スコルニジンはアリシンが熱で分解されることによって生まれます。スコルニジンの抗酸化力はとても強く、身体を若返らせ、新陳代謝を盛んにして疲労を回復する高い効果があります。
・豚肉、大豆と一緒に食べる
アリシンにはビタミンB1の吸収を高める作用があるので。ビタミンB1を多く含む豚肉や大豆と一緒に食べるのがおススメ!ビタミンB1は皮膚や粘膜を強化して免疫力を上げてくれます。
・すろおろしたら10~15分おく
アイリンは酵素の作用でアリシンに変化します。つぶしたり、すりおろしたニンニクは10~15分おいてから使うと、酵素が十分に働いてアリシンを多く摂ることができます。
■玉ねぎ・ねぎ
●玉ねぎ、ねぎは豚肉と合わせる
・アリシン、ケルセチンをはじめ何種類ものイオウ化合物が免疫機能の上昇、アンチエイジングに効果を発揮します。
・アリシンやねぎ特有のファイトケミカルであるネギオールには優れた抗菌作用があり、血行を促進し体温を上昇させる効果も!
P アリシンが豚肉のパワーを効果的に引き出す!
玉ねぎやねぎに含まれるアリシンにはコレラ菌にも効果を発揮するほどの強い抗菌作用があることが知られていますが、さらに注目したいのが、アリシンが持つビタミンB1の吸収促進効果です。ビタミンB1はエネルギーを作り出すために重要なビタミンで、不足すると疲れやすくなり、免疫力が損なわれます。
このビタミンB1は通常では消化吸収されにくいのですが、アリシンと結合するとアリアチミンという物質に変化して吸収率が高まり、血液中にも長くとどまって体全体のパワーアップのため働いてくれるのです。ビタミンB1はたっぷりの豚肉とアリシンの豊富な玉ねぎ、ねぎを一緒に摂ればビタミンB1を効率的に摂取できます。
♦免疫力アップの摂り方
・切ったあと15分放置する
アリシンは加熱すると壊れてしまう性質がありますが、切ってから室温で15分放置しておくと防ぐことができます。生で食べる場合も切って15分空気にさらしておくとアリシン効果がアップ。特に、白ネギのアリシンには、血糖値を下げ糖尿病を予防する効果があることがわかってきました。
・水にさらさない
水にさらすとアリシンやビタミンCなどの有効成分が流れ出てしまうのでできるだけ避けましょう。
■肉類
●肉は牛・豚・鶏をまんべんなく食べる
P 肉類 高タンパク質で必須アミノ酸を含み、免疫細胞の合成に欠かせません。豚肉のビタミンB1含有量は食品の中でもトップクラス。粘膜のガード機能を高め、病原菌などが体内に侵入するのを防いでくれます。
※いろいろな種類の肉を食べる!タンパク質は免疫細胞のもと
免疫力を高めるには、まずタンパク質をしっかり摂ることが不可欠です。さらに肉のタンパク質にはヒトの体内で作ることのできない必須アミノ酸が含まれています。牛肉・豚肉・鶏肉は、それぞれ異なったアミノ酸を持っているので、いろいろな肉を意識して食べ、できるだけ多種類のアミノ酸を摂るように心がけましょう。
メタボが気になるからと、肉食を避けるのはおススメできません!とくに高齢者の場合、動物性たんぱく質が不足すると血清アルプミン値が低くなり、感染症のリスクが高まります。タンパク質は体温を上げる効果も高いので、積極的に肉類を摂るようにしたいものです。
♦免疫力アップの摂り方
・部位を選んで食べる
カロリーが高いバラ肉やロースは、湯通ししたり、調理の際に脂身を除いて、脂肪の少ない赤身、ヒレ鶏肉ならササミを選ぶのがおすすめです。
・鶏むね肉には疲労回復の効果が!
イミダゾールぺプチドという抗酸化物質が、疲労回復に役立ちます、毎日100g程度を継続して摂ると効果が期待できます。
・ねばねば食材と一緒に摂ると吸収促進!
ねばねばした食材に多く含まれるムチンという物質はタンパク質を分解し、体内への吸収を促進する効果があります。サトイモやレンコンオクラなどと一緒に食べましょう。
卵・魚介
●卵はむしろ積極的に食べる
・ビタミンCと食物繊維以外のほとんどの栄養素をバランスよく含んだ完全食品。タンパク質が多いので免疫力アップには欠かせません、コレステロール値が上がると敬遠せず積極的に摂りましょう。
P 卵は優れたタンパク源!悪玉コレステロールを減らす働き!
卵はコレステロールが多いとうけとられがちですが、実は卵1個のコレステロールは1日の摂取基準の三分の一ほどにすぎません。さらに厚生労働省は最新版(2015年版)の指標からコレステロールの摂取基準そのものを削除し、必要以上に悪者扱いする必要がないことが示されました。
本来コレステロールは細胞膜や副腎皮質ホルモンの材料となる大切な物質で、コレステロール値が低すぎると免疫力は低下し病気のリスクが高まります。
問題は善玉(hdl)と悪玉(ldl)のバランスですが、卵黄に多いレシチンという脂質には悪玉を減らす作用があります。卵に多く含まれるタンパク質は免疫力向上に不可欠ですし、免疫力を活性化させるシスチンというアミノ酸も含まれています。
卵は積極的に摂ったほうが良い食材なのです。
♦免疫力アップの摂り方
・緑茶を飲みながら食べる
緑茶に含まれるテアニンと卵に含まれるシスチンを一緒に摂ると体内でグルタチオンという強力な抗酸化作用を持つアミノ酸となり、免疫力向上につながります。
・1日最低1個は食べる。大人のタンパク質の必要量は1日あたり40~50gですから、1日1個以上食べてタンパク質不足を防ぎましょう。
・うずら卵を食べる
卵黄にはコリンという物質が大量に含まれていて、認知症予防の効果が期待されています。コリンはビタミンB12を鶏卵の5倍以上含むのがうずら卵。ビタミンB2,鉄、葉酸の含有量はいずれも鶏卵を上回ります。
■牡蠣
●牡蠣はレモンをかける
・海のミルクと呼ばれるほど栄養満点!中でもグリコーゲン、タウリン、亜鉛が豊富で体全体を元気にしてくれます。生食用と加熱用に養殖されるのは海域によるもので、鮮度は関係あリまんが、生で食べる場合は必ず生食用を選びましょう。
P 皮膚、粘膜を強くする亜鉛がたっぷり、かんきつ類と一緒に摂って吸収率アップ
牡蠣に含まれる亜鉛はほうれん草やブロッコリーの約18倍、うなぎの約10倍とあらゆる食品の中でもトップクラス。亜鉛は病原菌やウイルスの侵入を防ぐ皮膚や粘膜の新陳代謝に欠かせないミネラルです。不足すると味覚障害を起こすことが知られていますが、これは舌の新陳代謝に支障をきたすため。高齢者では床ずれが治りにくくなったり、のどの粘膜が弱まって風邪をひきやすくなるなど、免疫力の低下につながります。
不足しないように普段の食事で補うことが必要ですが、そのままでは吸収されにくいのが難点!そこでレモンやすだち、かぼすなどと一緒に食べるのがおススメ!
「キレート作用」という働きによって、これらに含まれるビタミンCやクエン酸が亜鉛を吸収しやすくしてくれます。
♦免疫力アップの摂り方
・加熱しすぎない
牡蠣に含まれるビタミンB12やタウリンは熱に弱いので、これらの栄養を摂るには生食または軽く火を通す程度がおススメです。
・冬場の牡蠣で風邪予防
牡蠣に含まれるグリコーゲンは炭水化物の一種で身体のスタミナ源です。冬場の牡蠣には夏の10倍ものグリコーゲン(筋肉やその他の組織のエネルギー源となるもの)が含まれているので、風邪予防にはうってつけ!βカロチン豊富な春菊、血行を促進するネギなどと合わせて鍋にすると効果がさらにアップします。
・焼き牡蠣や鍋にもレモンを添える
亜鉛は加熱によって減ることはありません。生食だけでなく、鍋や焼き牡蠣のような加熱して食べるときも、かんきつ類の果汁をかけて食べると亜鉛を無駄なく摂れます。
■魚
●魚は毎日食べる
・青魚 良質なタンパク質とともに、DHAやEPAなどの不飽和脂肪酸が豊富です。これらには抗血栓作用や中性脂肪・悪玉コレステロールを減らす働きがあります。
・鮭 DHAやEPAのほかに、オレンジ色のもとであるファイトケミカル、アスタキサンチンが含まれています。アスタキサンチンには強力な抗酸化作用があります。
P タンパク質を効率的に摂取して、EPAにはアレルギー抑制効果も!
日本人にとって昔から重要なたんぱく源である魚は、肉類よりタンパク質の含有率が高く、タンパク質不足解消におススメの食材です。切り身一つでも1日の摂取目標量の三分の一程度のタンパク質が摂れます。T細胞(リンパ球の一種)の働きをサポートする亜鉛も豊富で、免疫力向上にチカラを発揮してくれます。
また青魚に多く含まれるDHAやEPAというオメガ3系脂肪酸は、血液をサラサラにし、動脈硬化や脳梗塞の予防に高い効果があります。特にEPAには過剰なアレルギー反応や炎症を抑える作用が確認されており、アメリカなどでは手術後の摂取が奨励されているほど。
アレルギーを改善するためには習慣的に食べ続けることが大切なので、少量でも毎日食べるように心がけましょう。
♦免疫力アップの摂り方
・青魚を中心に食べる
魚の中でもDHAやEPAが多いのはマグロ、ブリ、サバ、イワシ。サンマの青魚です。マグロは赤身よりトロに多く含まれています。
・加工品を活用する
しらす干し、たたみいわし、丸干しといった干したイワシにもタンパク質がたくさん含まれています。保存が効くので生魚がないとき食卓にプラスできます。
・鮭にはファイトケミカルも含まれている
鮭にはDHAやEPAのほかにアスタキサンチンという抗酸化物質も含まれており、活性酸素の除去に効果を発揮します
果物
■みかん
●みかんは1日1個食べる
・温州みかんに含まれるβ-クリプトキサンチンは抗がん作用があるだけでなく、免疫力を上げる力も高いことがわかってきました。ビタミンCも豊富で、風邪や感染症の予防に効果的!
P β-クリプトキサンチンが免疫力をサポート
オレンジやレモンのかんきつ類には、ファイトケミカルであるカロテノイド(天然の動植物に存在する色素)が含まれています。なかでも温州みかんにはカロテノイドの1種であるβ-クリプトキサンチンが豊富。発がん物質や活性酸素などが細胞を傷つけるのを防いで免疫力を上げてくれます。βカロチンなどより体内に長くとどまる性質があるので、冬場に食べたみかんの成分は夏まで持続的に効果を発揮してくれると言われています。1日1~2個のみかんを食べれば十分なので、冬は積極的に摂するようにしたいものです。β-クリプトキサンチンはジュースにも含まれているので、生活スタイルや季節に合わせて利用しましょう。
♦免疫力アップの摂り方
・皮は捨てずに、乾燥させて陳皮に
β-クリプトキサンチンやビタミンCは、実よりも皮に多く含まれています。乾燥させた皮は漢方薬では陳皮として知られています。無農薬のみかんの皮を乾燥させて砕き、ごまなどと合わせてふりかけにしましょう。
・甘夏やゆずの皮にも健康成分がある
甘夏やゆずの皮に含まれるオーラプテンという物質には免疫細胞を活性化させる作用があります。ジャムや砂糖漬けにして健康成分を丸ごと摂りましょう。オレンジピールなどもおススメです。
・白い筋や袋も食べる
白い筋や袋には、食物繊維とともにビタミンPと呼ばれる物質が豊富。ビタミンPにはヘスペリジンと呼ばれるポリフェノールが含まれており、活性酸素を取り除くとともに中性脂肪を減らす働きもあります。
■バナナ
●バナナは黒くても青くても
・抗酸化作用のあるビタミンCをはじめ、食物繊維と同様に働いて腸内環境を改善する難消化性でんぷん、オリゴ糖を含み、腸管免疫を活性化してくれます。熟したバナナには白血球を増加させる働きもある
P 黒いバナナは白血球を増やす青いバナナは腸管免疫を活性化
熟し始めて皮が黒くなったバナナには白血球を増やす効果があります。白血球は体内に侵入した細菌やウイルスの排除の大部分を担う細胞ですから、白血球が増えれば免疫は強化され、風邪などの感染症にかかりにくくなります。
抗酸化作用のあるポリフェノールも黒いバナナに多く含まれています。
バナナがすごいのは、熟す前の青いバナナにも免疫力アップの成分が含まれている点です。その成分とは、難消化性でんぷん。腸の中で食物繊維と同じ働きをするのですが「便のかさを増して便秘を改善する」不溶性食物繊維と、「善玉菌のエサとなる」水溶性食物繊維の長所を兼ね備えているのです。さらにバナナにはビフィズス菌を繁殖させるオリゴ糖が豊富。腸管免疫を強力に活性化してくれます。
♦免疫力アップの摂り方
・ヨーグルトをかけて食べる
ビフィズス菌の入ったヨーグルトと一緒に食べるのがおススメ!オリゴ糖は胃や小腸で消化、吸収されず、大腸まで届いてビフィズス菌のエサになります。
・干しバナナで健康成分凝縮
・乾燥させたバナナの食物繊維量は生の約6倍。難消化性でんぷんとの相乗効果が期待できます。カリウム、
マグネシウムなどのミネラル分も凝縮されています。
・冷凍する
熟してシュガースポットの出た皮が黒いバナナは、冷凍するとポリフェノールが増えるといわれています。皮をむいてラップなどに包み、空気をしっかり抜いて冷凍室に入れるだけ。レモン汁を少々垂らすと変色も防げます。
ドライフルーツ・アーモンド
■ドライフルーツ
●ドライフルーツは少量をよく噛んで食べる
・レーズン
・酒石酸という有機酸と食物繊維が豊富。両者の相乗効果で結腸がんの予防効果が期待されるほか、鉄分やカリウムなどのミネラルもたっぷりです。
・ドライアプリコット
・抗酸化作用の強いβカロテンに富み、免疫力アップや美肌作りに効果を発揮します
・ドライブルーベリー
・食物繊維の多さはドライフルーツのなかでもトップクラス。アントシアニンには抗酸化力があるとされています。
P 免疫力アップの成分が凝縮されている。よく噛んで食べ過ぎを防止
どのドライフルーツにも食物繊維が多く含まれますが、腸内で乳酸菌がのエサとなる水溶性食物繊維が多いのが特徴です。腸には免疫細胞が集中しているので、腸内環境がよくなると免疫力はグンとアップします。
さらに、ドライフルーツは他の成分も豊富です。レーズンには酒石酸という貴重な有機酸が多く、消化されずに結腸まで届き腸内を健康な弱酸性に導くとされています。さらに食物繊維と組み合わせると結腸がんの予防効果もあると研究結果も!
ドライフルーツは果物を丸ごと食べるので、皮に含まれている多様なファイトケミカルを効果的に摂取できます。食べやすく保存がきくのが魅力ですが、糖質も多いので食べ過ぎには注意!
少量をよく噛んで食べると満腹感を得やすく食べ過ぎを予防できます。
♦免疫力アップの摂り方
レーズンの健康効果を得るためには1日に84g、量にして1/2カップ程度食べましょう
・砂糖不使用のものを選ぶ
砂糖漬けのドライフルーツもありますが、果物そのものに糖分が多いので、砂糖不使用の商品がおススメ!
■アーモンド
●アーモンドは1日23粒が目安
・ビタミンE、各種のファイトケミカル、食物繊維が多く、免疫力アップの強い味方です。不飽和脂肪酸であるオレイン酸とリノール酸が豊富で動脈硬化予防にも効果的!
P ”若返り”ビタミンEの含有量は食品トップクラス!食物繊維が腸内環境を改善!
ビタミンEは”若返りビタミン”といわれるほどの強力な抗酸化力があります。免疫細胞の働きを低下させ、老化を早めてしまう活性酸素を除去し、身体を若々しく元気に保ってくれるのです。そのビタミンEの含有量が群を抜いて多く、たらこやカボチャと比べて約5倍。加えてβカロチン、フラボノイドなどさまざまなファイトケミカルが免疫力を活性化してくれます。
アーモンドの健康効果が知られているアメリカでは、「1日23粒のアーモンドを」という123運動が奨励されています。ニキビができやすいというのは誤解で、23粒のカロリーは食パン1枚とほぼ同じ。しかも含まれている脂肪分は健康効果の高いオレイン酸が中心です。
♦免疫力アップの摂り方
・食塩、オイルが無添加のものを選ぶ
塩分摂りすぎ防止のために、食塩やオイルで味付けされてない素焼きアーモンドを選びましょう
・食事の最初に少量食べる
よく噛んで食べる食品なので、その分満腹感が得られるのがうれしいところ。食事の前に少量食べるようにすると食べ過ぎ防止の効果が上がります。
緑茶・調味料
■緑茶
●緑茶は熱くても冷たくても効果は大
・主に4種類のカテキンを含み、風邪やインフルエンザの予防、老化のもととなる活性酸素の除去などに効果を発揮します。花粉症の症状を緩和したり、体脂肪を減らす作用も。抗酸化の強いビタミンCの血行を促すカフェインも含まれています。
P 氷だし緑茶で免疫効果がさらにアップ。熱いお茶には脂肪を減らす効果が!
緑茶に含まれるカテキンの中でも特に注目なのがエピガロカテキンとエピガロカテキンガレード(EGCG)です。エピガロカテキンは免疫細胞のマクロファージを活性化する力がカテキン中で最も多く、体内に侵入した病原菌などを強力に撃退します。
最近ではO157、抗生物質の利かないMRSA(メチシリン耐性黄色ブドウ球菌)、さらには水虫の原因菌などにも効果があることがわかってきました。温度が低い方が抽出されやすく氷だし緑茶などに豊富に含まれています。
一方のEGCGにはヒスタミン(免疫系の命令を伝達する物質)の放出を抑制して花粉症などのアレルギー症状を和らげる作用があります。さらにビタミンCの数十倍ともいわれる高い抗酸化作用があり、、免疫力強化はもとよりアンチエイジングにもよいという報告もあります。こちらは温度が低いと抽出されにくいのが特徴です。
♦免疫力アップの摂り方
🙄 免疫力+うまみアップ ➡ 氷だし緑茶
エピガロカテキンを十分に抽出させるには氷水で入れるのがベストです。急須に氷水を注ぎ、5分ほど待ちましょう。うまみ成分のテアニンが増えるとともに渋みやカフェインが減るので飲みやすくなります。
:lol: アレルギー緩和+アンチエイジングには ➤ 熱いお茶
EGCGは20度以下の低い温度では抽出されにくく、熱湯では変性してしまうデリケートな成分。70~80度の湯で5分以上かけていれるのが最適です。
■調味料
●トウガラシはラー油、七味トウガラシでこまめに摂る
・トウガラシは食べると身体がポカポカして汗が出るのは、トウガラシの辛味成分である、カプサイシンがアドレナリンの放出を促し、血行をよくするため。体温が上昇するので免疫機能が活発になり、病原菌やウイルスと戦うパワーを底上げしてくれます。
P ラー油や薬味なら手軽で便利!こまめに摂って低体温を予防!
・免疫力アップの最重要ポイントであるNK細胞は体温が35度台になると働きが弱まってしまいます。がんや感染症に負けない抵抗力をつけるためには、平熱は36.5度以上が望ましく、普段から体温を上げる食生活の工夫が大切です。
血行を改善し代謝を盛んにするカプサイシンを多く含むトウガラシは、低体温予防に最適な食材といえるでしょう。
トウガラシをそのまま料理に使うだけですと献立が限られがちなので、普段のメニューにラー油をプラスしたり、一味トウガラシを薬味として使うのがおススメです。日常的に食卓に取り入れて、体温維持に役立てましょう。トウガラシタップリのキムチなら、乳酸菌も摂れて一石二鳥。免疫力向上を強力にサポートしてくれます。
♦免疫力アップの摂体温り方
・調味料を活用する
商品によって異なりますが、七味トウガラシには生姜や胡麻が入っています。生姜にはジンゲロンという体温上昇に有効な成分が、胡麻にはB細胞を賦活するビタミンB6やEが含まれており、免疫力アップに役立ちます。また、チリペッパー、タバスコ、豆板醤などの調味料にもカプサイシンは含まれています。
・酢と合わせる
酢に含まれている酢酸やクエン酸にも体温上昇効果があります、酸辣湯など「甘酸っぱい」メニューにはダブルの冷え予防効果が期待できます。