よく眠れる食べ物と寝つきの悪くなる食べ物
厚生労働省が2015年に行った「国民健康」・「栄養調査」によると「日中に眠気を感じる人」が多く睡眠の質に満足していないと答えた人は男性37.7%、女性43.0%という結果が出ています。質の良い睡眠をとるために食べ物にかかわることはあまりありませんが、ちょっとした食を変えることで質の良い睡眠が得られるようになります。ここではよく眠れる食べ物と寝つきが悪くなる食べものについてお話したいと思います。
よく眠るためにホルモンをつくる
ホルモンは血液の循環をよくしたり、体の細胞の活性化に役立つ生理活性物質で女性の美肌を保つためにも良く、眠りをコントロールする「睡眠ホルモン」とも呼ばれるメラトニンや、脳の働きを落ち着かせるセロトニンがあります。このホルモンの調節は心地よい眠りにとって欠かせないものです。
ホルモンの原料のなるものはトリプトファンが一番に大切ですが、でもトリプトファンは体内で合成することができない必須アミノ酸なので、食事で摂らなければなりません。トリプトファンを多く含む、乳製品やナッツ類、大豆、肉類、魚類、卵などを適度に取り入れてみてください。トリプトファンからセロトニンが作られ、さらにセロトニンがメラトニンの分泌を促進して、質の良い眠りへとつながっていきます。
眠りにつく体温の上げ下げに効く食べ物
人は体温が下がると眠くなりますが、最近注目されているのが、脳に働きかけて手足の血流量を増やす働きがあるグリシン、エビ、ホタテ、イカ、カニ、カジキマグロなどの魚介類に多く含まれています。もっとも身近なのが体温の上げ下げが有効なカプサイシンです。唐辛子などに含まれる成分として知られていますがカプサイシンは体温を上げるだけでなく、上げた体温を下げる効果もありますので、唐辛子を使ったキムチ鍋などは夕食にうってつけです。
グリシン エビ、ホタテ、イカ、カニ、カジキマグロ
カプサイシ 唐辛子、キムチ、豆板醤、ラー油、タバスコ、コチュ ジャン
質の良い睡眠のための食事の時間
眠りに効果的な食べ物だからと言って、そればかりを食べればよいというものではなく、嫌いな食べ物を無理に食べても余計なストレスを抱えるだけで、嫌いなものはちょっとチーズを上にのせて食べるとか、カレー粉をまぶすとか、少しだけ引いたり足したりすることで食べられます。まずはバランスの良い食事を心掛けることが大切ですね。
食べる時間も重要なポイントで、寝る前に物を食べると、消化のために胃腸が活発に動き、眠りの質を下げてしまいます。また、日々決まった時間に食事をしている人は、その時間になると空腹を感じるようになってきます。つまり、毎日遅い時間に食事をしていると、次第にその時間に合わせて体が食べる準備を始め、覚醒状態になってしまいます。寝る前の3~4時間前は食べないことです。
寝る前のタバコ・コーヒーはダメ!
コーヒーやお茶などに含まれるカフェインが覚醒作用があることは、みなさんは知っていますよね。覚醒作用は、飲んだあと30分くらいで効き始め、4~5時間ほど続きますから、脳が眠たがっているのをフェインがブロックしてしまうんです。
また、カフェインには血管拡張作用もあるため、内臓の血液循環が活発になります。せっかく眠くなっても、トイレに行きたくなって目が覚めてしまい、満足な眠りが得られないことになりかねません。
一方で、最近の禁煙ブームで肩身が狭くなっている喫煙者の方にに追い打ちをかけるようですが…眠りに関してもタバコはNG! カフェインと同じでニコチンにも覚醒作用があるので夕食以降は控えた方がよいですね!