よい睡眠を得るための2つの基本法則
暖かくなって季節の変わり目を、日々感じるようになってきましたが、あなたの睡眠はきちんととれていますか?冬から春にかけての睡眠と春から夏にかけての睡眠が季節の変わり目だけに多くの人がぐっすり眠れなくてモヤモヤしたイメージで1日を過ごすことが多いのではないかと思います。ここでは睡眠の基本法則というのがあり、何やらちょっと難しく感じますが睡眠の基本を知ることで、やたらと多い本やネット上の情報に惑わされることなく眠ることの長短にかかわらずに良い睡眠を得られるようになるかと思います。
第一の法則 サーカディアンリズム(概日)
睡眠の基本法則とは2つの睡眠調節があり、一つはこのサーカディアンリズム(概日)です。言葉は聞いたことがあると思います。睡眠は1日を一つの単位としてとらえる【リズム現象】なんです。脳の中にあるものですが、人間も生物ですから一つの「生物現象」ですね。眠気は時刻によって変わり、体内時計は1日の周期により昼には活動する信号を出し夜には眠たいという信号を出します。
また、睡眠と活動しているリズムが不規則だとサーカディアンリズムに体内時計がリセットできない場合などの、自分勝手な生活になると,24時間周期の昼夜リズムの環境と社会とのリズム環境とが合わなくなり,ときには昼間にたえがたい眠気に襲われることになってしまいます。それだけに眠気のコントロールにとって,規則的な生活をすることが大切なのです。寝不足だからといって不規則に寝起きするよりは,生活のリズムを乱さないことが本当に大切なのです。
※サーカディアンリズム→概日リズム(体内時計)ともいわれ、昼間は覚醒し、夜は睡眠をとるように、1日のリズムを調整する24時間周期のメカニズム
第二の法則 ホメオスタシス(恒常性)
第2の睡眠の基本法則はホメオスタシス(恒常性)で、睡眠をコントロールする脳は当日の睡眠不足量をもとに、明日の睡眠の量と質を決定しています。眠らずにいる時間と睡眠欲求とのあいだには強い相関関係があって起きている時間が延長するにつれて眠気は直線的に増えてメチャクチャに眠くなり自力では眠ることが我慢がならなくなったりします。
短時間の睡眠は不足する睡眠の量に応じて質も量も変わり「はね返り現象」が起こり、起きている時間が連続して長いほど深い眠りに陥る。よくある熟睡と呼べる状態の眠りで,寝入った数時間のうちに最も優先的な眠りに入り,睡眠不足の埋め合わせに大きな役割を果たしています。つまり、起きている時間の長さの眠りの損失分が一定の形で埋め合わされることになるのですが、それによって覚醒期間が長いほど,深い眠りが多く得られることになるのです。このことは,体に一定した内容の睡眠が必須のものとしてプログラムされていることを示しています。そして,睡眠の不足量が負のフィードバックによって、本来人間がもつ恒常性が体に組み込まれていることがわかります。
睡眠不足がその日の眠りに反映されて深い眠りがいつもより多く進み,不足分を質で補っています。それだけにわざわざ意識的に長く寝なくても,うまく帳尻合わせができてしまう。眠らせる脳は,私たちの意識下のレベルで睡眠の質と量を自動的にコントロールしているわけですね。しかし,この法則はあくまでも寝る直前までの過去の眠りの量にもとづいてなされるものだから,これからの睡眠の長さや質をあらかじめ考えて余分な眠りを先取りしておこうとしてもダメです。寝だめはできないのです。
さらに,この法則から寝過ぎの害という症状が出てきます。熟睡は前の日の必要量から割り出され,その量は寝入った3時間ほどのあいだに優先的にはたらきます。必要量が満たされると,もうそれ以上はほとんど眠くならず、あとは浅い眠りばかりになる。たくさん眠れば,その分だけ質の悪い浅い眠りばかりになるから,起きたときの気分は悪く身体はぐったりして,かえって疲れてしまうので多すぎる眠りはむしろ害があるわけですね。
※ホメオスタシス(恒常性)→生まれながらにして体に備わるもので環境の変化に対して、自分の体内環境をある一定の範囲に保とうとする現象をいう