ストレスを緩和する効果がある 「ロイシン」を含む食材!

7月11日放送のたけしの家庭の医学では、筋肉を増やすための栄養素である【ロイシン】についてです。ロイシンは、私たちが食べている牛肉・レバー・ハム・牛乳・チーズ・とうもろこしなどから摂取できるため、通常の食事をしていれば不足することはほとんどありません。ロイシンには、筋肉を作る働きやその老化を防ぐ効果もあり、また肝臓の機能を強化させる効果があるともいわれています。
ロイシンは動物性たんぱく質に多く含まれており、牛肉やロースハム、レバーなどの肉類、アジやサケ、かつお節などの魚介類、チーズや脱脂粉乳などの乳製品、高野豆腐や湯葉などの大豆製品なども多く含まれていいます。
番組ではこれらの食材を摂取することはもちろんですが、大切なポイントして食事をするときのタイミングが重要であることを指摘しています。
ロイシンを含む食材を摂取するタイミングが重要!
番組では名古屋学芸大学の下方浩史教授のもと3名の運動をまめに行っている人の調査を行いました。
全身の筋肉量は?
・60代男性 筋肉年齢97歳
・70代女性 筋肉年齢29歳
・70代男性 筋肉年齢77歳
となっていますが、このような驚く結果になっているのはどういうことなのでしょうか?
ロイシンの成分は必須アミノ酸で、普段食べているものから摂取しているのですが、高齢になると筋肉になりずらくなっていることがあります。このことはカナダのトロント大学の研究で明らかになり、それは22歳の若者より71歳の高齢の方は若者の2倍の【ロイシン】が必要であるということがわかっています。
60代男性 筋肉年齢97歳の食生活は!
・朝食 トースト・ウインナー・チーズ
・昼食 牛肉と野菜のいためもの
・夕食 とんかつ定食
このメニューで言えることは朝のロイシンの摂取量が少ない!下方教授は夜だけでなく朝食もしっかりロイシンを含む食材を取る必要があります。その理由は筋肉は合成と分解を繰り返しているので夕食を食べてロイシンが体内に入ってくるのでそれを使い合成されるわけです。
その効果があるのはおよそ5時間~6時間後でそれから筋肉の分解が始まってくる。肝心なのはここからで、朝食で【ロイシン】をしっかり摂取できれば合成を促す事ができるのだが,ロイシンが少ないと合成しても少なくて筋肉の分解が始まってしまうのです。
高齢者の場合、朝昼晩と2gずつ摂取する必要があります。60歳代 筋肉年齢97歳の方は朝食のロイシンの量が少なかったわけですが、いったい何が足りなかったのでしょうか?
それは牛乳です。今までの朝食牛乳をコップ1杯足すだけでよいのです。コップに1杯の牛乳を飲むだけで0.6gのロイシンを摂取できます。
※必須アミノ酸→ 必須アミノ酸とは、その動物の体内で充分な量を合成できず、栄養分として摂取しなければならないアミノ酸のこと。
ロイシンの効果
■筋肉を強化する効果
筋肉の成長には、BCAAというものが欠かせません。これは分岐鎖アミノ酸と呼ばれ、ロイシンはこれに分類される。筋肉を作るにはたんぱく質が必要になりますが、その主成分とされるのがこのBCAAです。筋肉を増強して、その筋肉が落ちにくくなるよう助けてくれる性質があるのです。また、インスリンの分泌を促す効果があることから、運動と摂取を合わせることで体力の強化や瞬発力の上昇なども期待できます。
※BCAA→たんぱく質はアミノ酸が集合したものをいい、細かなくくりがあり、たんぱく質は約20種類の成分(アミノ酸)から構成されています。その中のとある3つのアミノ酸を抜き出したものがBCAAと呼ばれるものです。このアミノ酸のうち、「バリン」、「ロイシン」、「イソロシン」と呼ばれる3種類のアミノ酸組み合わさったもの。
※インスリン→すい臓の中から分泌されるホルモンで、血糖値を下げる作用があります。すい臓の中にランゲルハンス島という細胞の塊があり、血糖値が上がるとその中のβ細胞から必要量のインスリンが分泌される。
■肝機能を高める効果
肝臓は、胃や腸で取り込んだ栄養素を体全体に送り込むはたらきや、アルコールや薬、細胞から集められた老廃物などのよくない物質を分解して、体を動かすためのエネルギー源となるグリコーゲンを代謝したり溜めることなど、いろいろ機能を担っています。エネルギーを大量に出して消費を繰り返しているため、肝臓には過重な負担がかかっています。肝臓が疲れて代謝が鈍ると、肝機能が低下してしまい、全身の疲れにつながる可能性があります。
したがって、ロイシンを摂取することで、肝機能の働きをよくして体の疲労回復が期待できます。
※グリコーゲン→グリコーゲンは、動物の体内でエネルギーを一時的に保存しておくための物質。その分子は、いちばんエネルギーに変換されやすい栄養素である糖質(ブドウ糖)がたくさんつながった構造になっています。必要な時にはこのグリコーゲンをどんどん分解して糖質を取り出すことができるので、グリコーゲンを内臓や筋肉に蓄えておくと、運動をする時にフルパワーで動ける。
■ストレスを緩和する効果
ロイシンにはエンドルフィンと同じ効果があるため、エンドルフィンが脳の中にで分泌されると、人は楽しい気分になります。脳内モルヒネとも呼ばれるホルモン物質ですが、痛みをやわらげる効果があるものです。エンドルフィンは、強いストレスから身を守るときに分泌されます。ランナーズハイのようにある一定の苦痛を超えると分泌されるといわれており、鎮痛作用や幸福感を与える作用があります。
・エンドルフィンを出す効果的な方法は!
ヨガ、呼吸法などがとても効果的です。自分の体に集中することで、心の波が穏やかになりリラックス状態に導きます。だんだんと幸福感に満たされてきたな~と思ったら、エンドルフィンが分泌されている証拠です。
また、好きな本を読んでいるときや、好きなものを食べるといった行為によってもエンドルフィンは分泌されます。だからといって食べすぎは罪悪感を与え、心がふさぐ原因に。食べるときは味わって食べましょう。
ロイシンを多く含む食材
ロイシンは、肝機能を高めて、筋肉を強化するのに効果的で、疲れやすく体力をつけたい人に適しています。ただし、過剰摂取すると、ほかのアミノ酸とのバランスを崩し、免疫機能の低下を招きますので、食生活が偏らないように注意が必要です。
👑1位 かつお節
鰹節には100gあたり5900mgのロイシンと4300mgのアルギニンが含まれていて豚ロースの3~6倍ずつ含まれています。
👑2位 小麦たんぱく
小麦タンパクの主な働きは、グルタミンが豊富に含まれているため、筋肉回復をしてくれたり、筋肉を強化してくれます。
👑3位 高野豆腐
高野豆腐には100gあたり4500mgのロイシンと4100mgのアルギニンが含まれて豚ロースの3倍ずつにあたります。
👑4位 きな粉
きな粉は、大豆を炒って皮をむき、挽いた粉でロイシンは2900mg。
👑5位 大豆
大豆たんぱく100gにはおおよそ8400mgのロイシンが含まれている。
👑6位 すじこ
すじこのカロリーは300g(1腹)で846kcalのカロリー。たんぱく質が多く91.5g、脂質が52.2g、炭水化物が2.7gとなっており、ビタミン・ミネラルではビタミンB12とビタミンDの成分が高い。ロイシンは2900mg。
👑7位 ゼラチン
ゼラチンは睡眠の質を良くする?神経を抑制するグリシンというアミノ酸があります。ロイシンは2900mg。
👑8位 あまのり
あまのり-焼きのりは、ビタミンやミネラルなどの栄養を豊富に含み、一般的な市販品で「焼きのり」といわれているもので「栄養の宝庫」。ロイシンは2800mg。
👑9位 チェダーチーズ
15世紀のイギリスで生まれたチェダーチーズ。クセの無い風味とコクのある味わいから人気が高く、今では世界中で最も多く作られているチーズ。ロイシンは2500mg。
👑10位 プロセスチーズ
プロセスチーズはナチュラルチーズを加熱して溶かし、乳化剤を加え、型に詰めて作ります。加熱しているため、乳酸菌は死滅していて、それ以上熟成することはありません。ロイシンは2300mg。
ヒップアップの筋トレにはロイシン摂取が不可欠
ヒップアップを目指して筋トレをするときに大切なのは、筋肉の材料となるエサをしっかり摂らないと、せっかくの筋トレがムダになってしまいます。ヒップアップの筋トレと筋肉の材料の摂取はワンセット。とくに、筋肉を育てるにはアミノ酸の中でもロイシンが大切です。
ヒップアップの筋トレは、筋肉の材料をしっかり摂らないと意味がありません。よく太らないようにと野菜中心の食事を心がける人がいます。たしかに野菜は脂肪はつきにくいですが、筋肉のエサにはなりません。
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ヒップアップの筋トレでお尻の筋肉をしっかり育てるには、タンパク質が必要になります。とくに筋肉の材料となったり育てたりするには、アミノ酸の中でもロイシンが大切です。
筋サテライト細胞を育てるために必要となるのがロイシンと呼ばれる栄養素。おもに動物性たんぱく質に多く含まれています。このため、野菜中心の食生活では筋肉を育てるロイシンを十分に摂取できません。
ヒップアップの筋トレにヨーグルト
いくらヒップアップの筋トレの筋肉の材料になるからといっても、全体のカロリーが崩れると肥満の原因や疲れやすい体になってしまいます。そこで、ロイシンを効率的に摂ることができるヨーグルトと卵がおすすめです。
ヒップアップの筋トレには、1日あたりヨーグルト200gと卵1個が目安になります。ヨーグルト200gはロイシン820㎎でカロリーはわずか84kcal、卵1個はロイシン500㎎でカロリーは76kcal。これを日々の食事に加えればよいのです。
まとめ
ロイシンを摂取することによって効果的なことや、どの食品が多く含まれているか?筋肉をつけることの大切さやヒップアップなどについてお伝えしましたが、食材として、ロイシンが多く含まれている食品は魚類や豆類など、まだまだたくさんあります。
よく健康な人は「バランスのとれた食事をしている」とよく言われます。まさにロイシンが多く含まれている食品はは多種ですから、偏ることなくまんべんなく食べることが重要であると感じています。