グルテンフリーな生活を実践するために知っておきたいこと!
グルテンフリーという言葉が健康関連の雑誌や本での記事によく見かけるようになりました。しかし、言葉を知っていても、実際にきちんと理解できている人はまだまだ少ない印象です。ましてや実践しているという方はかなり少ないのではないでしょうか。セリアック病などのグルテンアレルギーの予防だけでなく、最近ではダイエットや体質改善を目的として注目されている「グルテンフリー」。その効果は実にさまざまだといわれています。
※セリアック病➡ 小麦やライ麦などに含まれる、たんぱく質のグルテンによって引き起こされる慢性の自己免疫疾患。
Contents
グルテンとは
グルテンとは小麦粉に含まれるタンパク質のことで、粘り気があり、パンやパスタ、お菓子づくりに欠かせないもので、もちもちした食感やコシなどを作り出す成分を言う。小麦粉は、グルテンの量によってその名称が異なりグルテンが多いものを強力粉、中くらいのものを中力粉、少なめのものが薄力粉。一般的に強力粉は、パンやうどんなど、もっちりとした食品を作る際に使われる。薄力粉は、お菓子づくりに使われることが多い。
美味しさの上では欠かせないグルテンだが、実は体内に入ると少々悪さをする場合もあります。そのひとつが腸内環境の悪化で、グルテンの分解酵素を持っていない人は、グルテンを摂取することで消化不良や便秘、下痢、さらにはアレルギー反応を引き起こしてしまうことがあります。
腸内環境と体年齢
グルテンフリーが人気を集めた背景には、グルテンフリー食によって腸内環境が改善し、体全体の不調が改善したという報告があるからです。裏を返せば、腸内環境が悪いと不調が起こりやすく、また腸内環境は、美肌やダイエットにも大きく関係していると考えられています。
脳との関係
砂糖やアルコールが中毒性の高い食品だということは、よく知られています。小麦粉に関しても同じようなことが言えます。それはグルテンが腸内で吸収される際に、ある一定の条件で神経毒性物質を生み出すことがあり、それが脳の神経伝達に影響を与えるのでは、と考えられている。
昔の小麦と現在の小麦
現在の小麦は人類がはじめに出会った小麦とは、様相が大きく変わっています。これはよりグルテンの多い小麦粉がよしとされ、さらに安定した収穫量を得るために行われた度重なる品種改良によるものです。一見、ありがたいようですが人間の体にとってはそうではなく、新たな小麦を受け入れる準備がいまだに整っていない状況なのです。
グルテンフリーをはじめるために知るべきこと
買い物をするときは食品ラベルを見る習慣を!
グルテンを含む原料が使われていないか、商品に付いているラベルの原材料表示を必ずチェックするようにしましょう。穀物を使った食品であれば、ライ麦、大麦、オーツ麦、スペルト小麦、その他、これらのかけ合わせ品種を使っていないか確認しましょう。これら穀物にはグルテンが含まれます。
代替品をうまく活用する!
パンやパスタ、クラッカーなどは基本的にグルテンを含む食品です。だからといって、これら全てを諦めなければならないわけではありません。これらには、グルテンを含まない原料を代替したものもあります。小麦の代わりに玄米を使った玄米パスタや、米粉を使ったパンなどです。最近は日本でもこれらのグルテンフリー代替品が増えてきていますので、スーパーなどで探してみてください。
スーパーに並ぶ、多くの食品が本来グルテンフリーです
野菜や果物、お肉、お魚、チーズや卵などは、もともとグルテンフリーです。加工品を使うのではなく、これらの食品を上手に摂り入れるようにしましょう。
グルテンフリーの穀物を楽しむ
グルテンフリーイコール穀物フリーではありません。キヌアや蕎麦、とうもろこし、キビ、アワ、タピオカなど、生来的にグルテンフリーの穀物なら摂ることができます。
てんぷら粉やお好み焼き粉に米粉を使ったり、麺類なら、10割蕎麦やビーフンにしたり、クッキーやクラッカーの代わりに、玄米煎餅やキヌア煎餅を食べるなど、グルテンを含む食品とこれらを上手に置き換えましょう。
アルコールに含まれるグルテンについても知っておく
ワイン、シェリー酒、蒸留酒、リキュールなどのお酒は基本的にグルテンフリーですが、ビールのほとんどがグルテンを含みます。中にはグルテンフリーのビールもありますが、その場合、「グルテンフリー」と表示されていることが多いので、表示されていない場合はグルテンが含まれる可能性が高いといえます。
習うことより慣れることが大切
自分にとって最適なグルテンフリー食材を見つけることは、味の好みにも関わるので、意外と至難の業です。さまざまなグルテンフリー食材を試しながら、まずは味や使い方に慣
れることが大切。その中で自分に合ったものを見つけていきましょう。
グルテンフリーはヘルシーで美味しい
色々な制限があり実践するのは大変そうなグルテンフリーですが、それ以上に健康面でのメリットがあります。
また、美味しいグルテンフリー食品は市場でも増えていますし、工夫をすることで自分の味覚に合った食事に調整することができます。
グルテンアレルギーの人も、ダイエット目的の人も、食事をグルテンフリーに切り替えることは、自分の健康のためのポジティブな変化だと捉えて続けることが大切です。
グルテンフリーの4つの効果
グルテンフリーの健康効果はさまざまで4つの効果をご紹介します。
1. 寝つきが良くなる
「グルテンを抜くことで、睡眠の誘導に必要なカルシウムが腸内でしっかりと吸収されるようになります。グルテンフリーを始めると、ストンと眠れるようになるでしょう」
2. 体重が落ちる
「食事からグルテン(小麦)を抜くということは、小麦に含まれた糖質の摂取が減るということでもあります。『グルテンフリーで体重が減った!』という声をよく聞きますが、その要因のひとつは糖質の摂取量の減少にあります」
3. アンチエイジング効果
「糖質は肌老化の原因でもあります。小麦を使用した食品の中には砂糖が多く含まれているものもあるので、グルテンフリーで美しいお肌を保つことができます」
4. 肉体改善ができる
「栄養素が腸内できちんと吸収されるようになるので、より良い肉体作りができます。特に運動をする方はその健康効果を感じやすいかもしれません」
グルテンフリー食品は
最近は日本でもグルテンフリーと表示された商品も増え、スーパーではグルテンフリーコーナーが設けていることもあります。そうでない場合、グルテンフリーかどうかは原材料表示を見て自分で判断する必要があります。グルテンを含むかどうかの判断基準としては下記のようなものがあります。
■間違いなくグルテンフリーな食品
・加工されていない豆や種、ナッツ類
・卵
・生肉、生魚
・生鮮果物・生鮮野菜
・乳製品はすべて
※加工されていないかどうか、グルテンを含む穀物が含まれていないかどうかが、ひとつの判断基準となります。
■グルテンを含まない穀物
・米
・そば
・大豆などの豆類
・とうもろこし
・葛
・亜麻
・じゃがいも
・キビ・アワ
・キヌア
・アマランス
■グルテンを含む食品
・小麦
・大麦(麦芽も)
・ライ麦
小麦粉にはさまざまな種類がありますが、原材料に下記が記載されていたらグルテンを含みます。
・デュラム小麦粉
・カムート粉
・セモリナ粉
・スペルト粉
グルテンフリーと明記されていないで、グルテンをふくむ食品
- ・ドーナッツ
- ・クッキー
- ・蕎麦
- ・うどん
- ・シリアル
- ・マフィン
- ・中華まん
- ・ハンバーグ
- ・お好み焼き
- ・餃子の皮
- ・ラーメン
- ・ピザ
- ・醬油
- ・味噌
醤油は、「たまり醤油」のように小麦を使っていないものもあります。味噌も麦を使わず、大豆と米だけでできたものがあります。これらは、加工段階での混入がないかぎり「グルテンフリー」です。
まとめ
小麦食品があふれている現代の食生活において、「体質改善」に影響を持つといわれるグルテンフリーですが、1度実践してみて、変化を実感できるかどうか確認してみるのもよいかもしれませんね。日常生活で、制限や工夫が少々必要となるグルテンフリーですが、一度コツを掴めばそれほど大変なものではありません。なにより、それ以上に期待できる効果の多いグルテンフリー。体質改善をしたい方は、一度ためしてみる価値のある食事療法です。