水を正しく飲むことで「「リンパ液と血液の流れ」を正常に保つ!
私たちのカラダの大半は水分で構成されています。水はさまざまな種類があり、生きていくために欠かせないモノですが、どのように飲めば良いのか、なかなか決めつけられないこともあるのではないでしょうか?「リンパ液」と「血液」はカラダ全体に張り巡らされたように通っているのですが、この関係を知ることによって、何気なく飲んでいる水の重要な部分がが見えてきます。ここでは聖マリアンナ医科大学病院の腎臓高血圧内科助教授の今井直彦医師のインタビューをもとにお伝えいたします。
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1日に飲む水の量は
私たちが1日に摂取しなければならない水の量は、どのくらいなのでしょうか? 厚生労働省によると、体重が60 kgの成人男性が日常生活で1日に排出する水分は、尿や便、呼吸などを合わせておよそ2.5リットルです。つまり、この排出分である2.5リットルの水分を摂取する必要があると言われています。
けれども、私たちは普段の食事のなかで1リットル程度の水を摂取しており、体内で作られる水も0.3リットルほどあるので、新たに飲むべき量はおよそ1.2リットルになります。ただし汗をかきやすい季節や、運動やスポーツで汗をかいたときは、その分多くの水分を摂取する必要があります。
水はいつ飲むと良いのか
水は基本的にいつ飲んでもいいんです。大切なのことは「のどが渇いたと感じたときは必ず水を飲む」ということです。体内の水分量は生命の維持に直結しますから、“水分が飲みたいという要求を出すセンサー”は非常に鋭敏です。なので、のどが渇いたときには我慢せず水分を摂ることが重要です。のどが渇いていないのに無理して水を飲む必要はありません。体の欲求に従うということが大事です。
マグネシウムを多く含む「硬水」がオススメ
マグネシウムは数あるミネラルの一つですが、電解質の調節だけでなく、体内の酵素に不可欠の成分でもあり、最近改めて注目されています。さらに、便を軟らかくする作用もあるので、お通じが良くなります。マグネシウムは1日に300~400mgとったほうがいいのですが、硬水を飲むとマグネシウムの補足にもなりますし、比較的硬度の高い水では、1リットル中に50mg程度含まれているものもあります。
カラダの60%が水分!脱水に強い体は筋肉をつけること
私たちのカラダの60%が水分ですが、年齢によっても違い、赤ちゃんは80%が水分ですが歳をとるにつれて50%まで下がります。これは仕方がないことですが、健康維持のためにできることがあります。脱水に強い体をつくるには筋肉をつけることが非常に大事なのです。血液として存在する水分量は大差はありませんが、体の水分量を大きく左右する要素、それが筋肉です。体内水分量は筋肉量の多い人だと65%程度、それが痩せている人では55%程度と、ずいぶん違います。つまり、大雑把に言うと、筋肉をつけると体内の水分量も増えて、脱水になりにくい、ということになります。適度な運動が体によいということはこんなところからも言えることなのです。
リンパとは
サロンのWeb広告やチラシで、リンパマッサージ(ドレナージュ)をよく見かけるようになりましたが、実際に施術を受けた方もいるのではないでしょうか。血管が私たちのカラダ全身に張りめぐらされていますよね!リンパも血管と同じに体中に張りめぐらされていて、リンパ管とリンパ液で構成されています。
あなたの体中を通っているリンパ
血管には血液が流れています。そして、血液の中には「血漿(けっしょう)」という成分があります。この血漿の一部が血管の外にしみ出し、それを回収するのが「リンパ管」です。
※血漿(けっしょう)は血液に含まれる液体成分の一つで、 血液の55%をしめる。 血液を試験管にとって遠心沈殿すると、下の方に赤い塊りができ、上澄は淡黄色の液体になる。 赤い塊りは主として赤血球の集りで、上澄の液体が血漿です。
また、回収される、しみ出した液体は「リンパ液」と呼ばれます。リンパ液は無色透明で、白血球の一種である「リンパ球」を含んでいます。リンパ液は、体内の老廃物や余分な水分、そして、細菌やウイルスなどを回収する役割を担っています。
リンパ節
リンパ管の通り道にはリンパ節と呼ばれるリンパ管の集まる器官があり、リンパ液に含まれる細菌や異物を除去する働きをしています。
全身に800か所ほどあります。とくに、頚部には300以上のリンパ節が集まっています。たとえば、風邪を引いたときに首筋が腫れますが、これは、首(頚部)にあるリンパ節が細菌や異物と戦っているからです。
リンパの役割は
- (1)体内の老廃物の回収と運搬
- (2)異物や細菌を血管に入れないようにする免疫機能
- 異物や細菌はリンパ液で回収されて、リンパ管を通りリンパ節に流れますが、ここで免疫機能により処理されます。
- リンパには感染症を防ぐという大切な役割があります。
リンパの流れをよくするために
リンパの流れを改善するには、こまめに水分補給が必要です。このために、時間を見つけては水分補給するようにして、お水を飲むような習慣を付けていくと良いといえます。できれば1日必要な量といわれる1.2リットルを目安に補給することが大切です。
水分補給を行なうと、血液の流れを良くして、リンパの流れも良くします。これによって体内で滞っていた余分な水分を尿として排出し、尿を出すことで老廃物も同時に排出できます。老廃物や余分な水分を排出するということは、それだけむくみを解消して、余計なものを体内に溜めないため、ダイエットにも良いのです。
リンパの流れを良くするには、こまめに水分補給を行なうという以外にも、運動して体の機能を高める、リンパのある体の部分をマッサージするなども効果的です。
特に体を温めてマッサージすると、リンパや血液の流れを良くできますので、運動した後にマッサージする、お風呂に入ってマッサージするというのも良いです。
水をこまめに飲むことで血液の流れがよくなる!
体に水分が不足していると血液の流れが悪くなり、体に酸素や栄養素も届きにくくなり、内臓などの体の機能が低下して、体調不良を起こしやすくなります。水分不足は脱水症状を起こす原因となることは、よく知られています。さらに、血管が詰まりやすくなり、血栓ができやすく、脳梗塞や心筋梗塞などの命に関わる重篤な疾患を引き起こす原因ともなります。
それぞれの生活環境や生活状況に応じて、適切な量の水を摂取することが大切です。水を飲む際は、1回にコップ1杯程度の量まで。これをこまめに数回に分けて、1日の必要量を摂ると良いでしょう。
水が血液の流れの重要な役割を担っている!
私たちの日常生活の中で、尿や汗、呼気として1日に約2~2.5リットルの水が出ていくとされ、その分を食事や飲料水で補わないと、体の機能が低下するのです。水が不足することで、血液が粘りのある状態になり、血流が悪くなります。血流が悪くなると、脳内の血流も悪くなり精神にも悪影響を及ぼすことになってしまいます。
水分不足は脳にも悪い影響を与えてしまう
水分不足は体だけではなく、脳にも悪影響を与えます。必要な水分が不足すると血流が悪くなりますが、脳への血流も悪くなるため、記憶力の低下や仕事の能率が悪くなる、などといった弊害を起こすことが考えられます。
さらには、脳内の血液循環が悪くなることで、物忘れをしやすくなったりすることもあると言われています。水分不足が頭痛の原因となることもあるとされています。頭痛を起こしやすい人は、水分が足りているかどうか、水分摂取について振り返ってみるといいでしょう。
硬水と軟水の違いは
硬水と軟水の違いは「硬度」です。硬度とは、お水1Lあたりにどれだけカルシウムとマグネシウムが含有されているかを表す数字です。硬水・軟水は硬度で振り分けられます。そのボーダーラインはWHO(世界保健機関)やメーカーなどが各々独自に定義をしています。一例として、日本の理化学辞典では硬度178mg/L以下を軟水、357mg/L以上を硬水と定めており、アクアデミアではその中間にあたるお水を中硬水としています。
一般的に軟水は日本人が飲みなれているすっきりまろやかな味、硬水は舌や喉に引っかかる重たい味といわれています。
日本は軟水だけでなく硬水もある
軟水の水が多いと言われる日本ですが、国内でも地域によって水の硬さは違います。琵琶湖を主な水源とする関西の水は軟らかいのが特徴ですが、それに対して関東のお水は関東ローム層に含まれる炭酸カルシウムなどの影響で比較的硬いという特徴があります。
また、沖縄では中硬水の地域が多いです。もちろんヨーロッパも地域ごとに水の特徴が異なります。ノルウェーなど北欧の国は軟水、ドイツやオーストリアは硬水、フランス・イタリアは中硬水の地域が多いです。コントレックスなどの有名な硬水がヨーロッパ産であるため、「ヨーロッパ=硬水」というイメージを持たれがちですが、その土地々々の地層や地質でお水の硬さは変わるのです。
あなたの悩みを解決!アクアソムリエがすすめる水はコレ!
運動する方におすすめ
- ■商品名 ゲロルシュタイナー
- ■種類 硬水・炭酸水
- ■特徴 ドイツ生まれの天然炭酸水。カルシウム・マグネシウム・ナトリウムを多く含むので、運動中に汗で失ったミネラルを補給できます。また天然炭酸が疲労を和らげる効果もあるので、運動後に積極的に飲んでいただきたいお水です。
ダイエットする方におすすめ
- ■商品名 ベラフォンタニス
- ■種類 硬水・炭酸水
- ■特徴 カルシウムの甘みとシュワッとした炭酸が飲みやすい超高硬度炭酸水。腸にお水を集める働きのあるマグネシウムと老廃物を排出する働きのあるサルフェート(硫酸塩)を豊富に含んでいるため、便秘解消とデトックス効果が期待できます。またダイエット中に不足しがちなカルシウムやマグネシウムのミネラルをゼロカロリーで補給できるのもおすすめポイントです。
煮物料理におすすめ
- ■商品名 エビアン
- ■種類 中硬水
- ■特徴 フレンチアルプスで生まれ、長く愛され続けている有名な中硬水「エビアン」。野菜などに多く含まれるペクチンはカルシウムと結合することにより固くなるという性質があるので、カルシウムの多いエビアンで煮込むと煮崩れしにくくなります。また肉などのあくが分離しやすいという特徴もあるので、野菜とお肉を一緒に煮込む肉じゃがやスープとの相性も抜群です。
お米を炊くときにおすすめ
基本的に日本米は軟水で炊くことをおすすめしますが、お料理によっては中硬水や炭酸水が合う場合もあります。例えばピラフのように米粒のパラパラ感を残したいお料理をするときは、中硬水で炊いてみてください。少し芯が残って、いわゆるアルデンテな仕上がりになります。また炭酸水でお米を炊くと、ふっくらと水分を含んだごはんが炊けます。時間がたってもぱさつかないので、お弁当用ごはんにおすすめです。
Coffee Tea 日本茶におすすめ
- ■商品名 新水いぶき
- ■種類 軟水
- ■特徴 北海道生まれの新鮮なお水。加熱殺菌やフィルター殺菌などが一切されていない、まさに“天然水”。「とにかくこの水でいれたコーヒーがおいしい!」というコーヒー愛好家の声が多いお水です。もちろん緑茶や紅茶にもおすすめ。
便秘のときにおすすめ
海外旅行で水の衛生面が気になるときには無糖の炭酸水がおすすめ
水の衛生面が不安な国に旅行をするときは、現地で手に入る炭酸水を飲むことをおすすめします。特定の菌は炭酸水の中では生きられないので、他のお水を飲んだ場合よりもおなかをくだしにくくなります。また、炭酸水でうがいをするのもおすすめです。
アクアソムリエがすすめる硬水の美味しい飲み方
硬水は喉越しが重たく舌に引っかかる独特の風味があるので、苦手意識を持っている方も多いです。いきなり硬度が1000mg/L以上の超硬水のコントレックスなどを飲むと強い違和感を覚えてしまうかもしれないので、中硬水や硬さを感じにくい炭酸入りの硬水から始めてみてください。
また、硬水は冷やすことで硬さを感じにくくなるので、慣れていないうちは常温よりもキリッと冷やして飲むことをおすすめします。レモンを搾って爽やかさをプラスするのも良いです。反対に、硬水を熱することはおすすめしません。煮沸するとミネラルが沈殿してしまい、お水に入っているミネラルを吸収しづらくなってしまいます。白湯で飲みたい場合は、ほんの少しだけあたためる程度にしましょう。
アクアデミア 山中校長の話
http://www.aquademia.jp/home.html
実は私は25歳くらいまではお水が苦手でした。仕事の都合でお水を飲むようになってから、それがきっかけで頭痛・腹痛・肌荒れがウソのように改善されたんです。
今振り返ってみると「健康のためにお水を飲むと良い」ということは知っていても、そもそもお水を飲む習慣がない人は自分が水不足で喉が渇いているという自覚がありません。かつての私がそうだったように、飲み始めて、初めてお水が健康に良いということに気がつかれる方もいらっしゃいます。
もしかしたら、今よりちょっとお水のことを意識して飲むことが、健やかな人生を歩むきっかけになるのかもしれません。インターネットなどでさまざまなお水を手にすることができるようになった現代だからこそ、自分の体質や生活にあったお水を探してみてはいかがでしょうか。