前立腺がんの症状 前立腺がんの検査と予防!

前立腺がんは欧米の男の人に多いがんの1つで、日本でも食生活の欧米化や高齢化社会にともなって増加しており、それぞれの部位別でのがんになる病気では肺、胃、大腸に次ぐ4位にまで上昇しています。また近いうちに胃がんを抜いて3位にまでなるのではないかと予想されるほどです。ここでは、テレビ番組の出演でおなじみの「お茶の水健康クリニック院長」である白澤卓二先生の毎日新聞掲載のコラム「Dr.白澤100歳への道」から一部を抜粋してお届けしたいと思います。
前立腺がんの原因と症状は
前立腺がんは60歳以上の男性に多いことから、加齢が大きく関わると考えられます。また脂肪分の多い食事がリスクを高めることも分かっています。さらに遺伝の要素も比較的強く、この場合は40代など若い世代でも発症することが少なくありません。前立腺がんは、前立腺の中でも「外線」という部位に発生するものがほとんどです。多くのがんと同様、初期症状に乏しいため、早期発見をするためには定期的な検診を受ける必要があります。
●前立腺がんの進行期は病期A.B.C.Dの4つに分けられる
前立腺がんはいくつかに分類されています。高分化型腺がんと中分化型腺がん、低分化型腺がんの3つに分けられます。正常な前立腺の細胞に近い高分化型腺がんは比較的おとなしいタイプのものです。悪性度が中程度の前立腺がんを中分化型腺がん、悪性度が最も高いものが低分化型腺がんになります。
- A ➡ 前立腺にできた、ごく小さながんで、他の手術の際などに偶然見つけられたもの。
- B➡ 前立腺内に留まっているもの。
- C➡ 前立腺内ばかりではなく、被膜を通り越して広がりを見せているもの、精嚢(せいのう)まで侵されているものです。
- D➡ 前立腺ばかりではなく、骨やリンパ節、離れた臓器への転移が明らかになっているものをいう。
●前立腺がんの症状
早期のがんが見つけにくいように、前立腺がんも早期には症状が出ないものが多いです。出る症状としては、前立腺肥大に伴った症状で、前立腺肥大と区別がつきにくくなっています。前立腺肥大を疑って泌尿器科を受診し、検査を行った結果、がんが発見されるケースが多いのです。症状が進行すると骨に転移しやすく、腰が痛くて検査を受け、前立腺がんが発見される場合もあります。稀に肺への転移で前立腺がんが発見される場合もあります。このように、他の臓器や骨にがんが転移してから発見されるということは、症状がかなり進んでいるということなのです。
※前立腺って何? 泌尿器の一連の働きで、意識せずに膀胱に尿をため、時間が経過すると体外に排泄するという行為をします。自律神経の働きで、膀胱と尿道の筋肉が緩んだり締まったりする動きをコントロールされているからで、膀胱内に尿があるときは、緊張しているときに働く交感神経が膀胱の筋肉を緩ませて尿をため、尿道の筋肉を閉めて漏れを防いでいます。男の人は、膀胱のすぐ下に前立腺があり、真ん中に尿道が通るようになっています。50代を過ぎた頃から、この前立腺に様々なトラブルが発生してきます。特徴としては、どんな病気でも前立腺が大きくなることが多いということです。これにより膀胱や尿道が圧迫され、排尿困難な症状が出てくるのです。
前立腺がんの検査方法
前立腺がんpsa検査
PSA検査は、前立腺がんを診断するだけでなく、治療経過観察中の再燃・再発を見つける上でとても有効な検査です。PSAは前立腺がんの腫瘍マーカー(がんの発現に関連を持つと考えられている生体内のタンパク質)としても重要な働きをします。
血液検査
血液検査では様々なことが分かりますが、泌尿器科で調べるのは、腎機能、炎症があるか、前立腺特異抗体という、前立腺がんの目安になるものを調べます。この特異抗体はPSAと呼ばれるたんぱく質です。PSAが血液中に増えるということは、
前立腺に腫瘍ができている可能性があるということで、自覚症状がなくても、この血液検査で前立腺がんを早期に見つけることができます。
尿検査
尿検査から分かることは、成分などを分析して細菌、血尿の有無を調べることにより、前立腺の病気に限らず、様々な病気を見つけることができます。
前立腺がんの予防
前立腺がんの予防にエスプレッソ
白澤卓二先生の記事によると、これまでのさまざまな研究や調査によって、乳製品、カルシウム、飽和脂肪酸(バター、ラード、牛脂)の摂取はリスクを高めると報告されている。一方では大豆に含まれているイソブラボンや緑茶に含まれているカテキンはリスクを下げると報告されている。
イタリア・ポッツィッリにある研究機関リシア・イアコピエーロ博士のチームは1日3杯以上のエスプレッソを飲む人は飲まない人に比べ、前立腺がんのリスクが53%も低いことを明らかにして話題を呼んでいる。
前立腺がんリスク減の報告
中央イタリア地方の住民がコーヒーを高圧、高温で抽出し、フィルターなしで淹れるイタリア風の飲み方を堅持している点に注目している。エスプレッソやモカ、カフェラテ、カプチーノ、マキアートなどのイタリアのコーヒーの摂取習慣と前立腺がんとの関連性を調べた。50歳以上のイタリア人男性6989人を平均4年間にわたり追跡調査をした結果、イタリア風のコーヒーを1日3杯以上飲む男性は、飲まない男性よりも前立腺がんの発症が低いことを明らかにした。一方、1日2杯以下のコーヒー
摂取では発症リスクが下がらなかった。
また、試験管内で培養した前立腺がん細胞にコーヒー抽出物を添加すると、カフェインを含むコーヒー抽出物は増殖を抑制したが、脱カフェインのコーヒー抽出物に増殖効果は認められなかった。コーヒーにはクロロゲン酸というポリフェノールの一種が含まれていることは、多くの方が知っていますが、前立腺がんにおいても予防効果があることが追加された。
最近の研究で砂糖はがん細胞の増殖を促進することが知られているので、50歳を過ぎた男性には砂糖を入れないエスプレッソなどのコーヒーがおすすめです。
まとめ
前立腺になんらかのトラブルを抱えている人も多いかと思いますが、トイレが気になって外に出られなくなっている人もいるのではないでしょうか。普段からちょっとしたことに気を配っていれば、それ以上に前立腺が悪くならないようにすることもできるのです。排尿することを悪くさせないためには、規則正しい生活を送ることです。十分な睡眠をとって、食事もきちんと3回摂ってください。朝食を摂ることによって、規則正しい排泄のパターンを作ることができますし、仕事をしていると思うようにいかないものですが、自分のパターンを知っておくことは重要なことです。また、軽い運動をすることで排尿もスムーズになります。不快に感じていた排尿のときの嫌な感じもなくなります。運動不足になると代謝が悪くなって体もむくみます。体がむくむということは前立腺もむくむということです。運動をすることで適度に体が疲労し、夜もぐっすり眠れるようになり、夜間にトイレに起きることも少なくなるでしょう。また、排尿するたびに不快感があるので、水分を控えてトイレに行く回数を減らそうとする人がいますが、しっかりと水分を摂っていなければ、腎機能が低下してくる可能性もありますし、夜間のトイレが心配であれば、日中水分を意識して摂るようにし、夜寝る前は控えるようにしてください。